英リチウムイオン電池メーカーのブリティッシュボルトが経営破綻し、17日に管財人の管理下に置かれた。新興企業の同社は英国内に電気自動車（EV）向け電池の大型工場を開設する計画だったが、資金繰りに行き詰まって経営が立ち行かなくなった。
2019年に創業したブリティッシュボルトは、38億ポンド（約6,000億円）を投じて、年間生産能力38ギガワット時（GWh）のEV向け電池工場をイングランド北東部のブライスに建設する計画だった。しかし、金利が上昇し、景気も悪化する中、十分な資金が集まらず、一時的な救済措置を受けながら売却による存続を目指していた。
最終的に買い手が見つからず、経営破綻に追い込まれ、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング（EY）が管財人に指名された。
英政府は30年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を禁止する方針を打ち出しており、目標達成に向けてEV向け電池の国内生産を後押ししている。ブリティッシュボルトにも1億ポンドを支援することになっていたが、同工場の着工が遅れているため実施が先送りされていた。
同社の破綻で大型工場建設計画の先行きは不透明となり、EV用電池の世界的な生産拠点となることを目指す英国にとって大きな痛手となる。
