独フォルクスワーゲン（VW）傘下の高級車メーカー、アウディは価格が5万ユーロ以上の上級モデルの販売を強化する。全体の販売規模を2015年までに150万台以上に引き上げ、量・質ともに独競合のメルセデス・ベンツとBMWに匹敵する高級車メーカーに躍進する計画だ。アウディのペーター・シュヴァルツェンバウアー販売担当取締役が20日発行の独経済紙『ハンデルスブラット』のインタビューの中で明らかにした。
\同取締役によると、アウディは上級モデル（5万ユーロ以上）の販売を、2009年の24万5,000台から2015年には約40万台に引き上げる計画。特に、中国と米国で成長の余地が大きく、米国販売に占める上級モデルの割合を現在の17％から2015年までに約2倍に拡大する方針。中国で2012年に30万台の販売を目指す。
\中国では提携先の第一汽車（FAW）と共同で「A4」と「A6」のロングバージョンおよびオフロード車「Q5」を現地生産しているが、今後は欧州工場で生産する上級モデルの輸入販売を増やしていく。アウディの中国販売に占める輸入車の割合を今後5年で25％以上に引き上げる。同割合は2009年に約10％、2010年1～7月は約15％に拡大している。これまでは公的機関向けを中心に現地生産のセダンを販売してきたが、今後は若い世代のニューリッチや富裕層向けの販売に強化していく戦略という。
\ \■ 「A7」がけん引役に
\ \モデル別では、11月に販売を開始する「A7」が上級モデルの販売拡大のけん引役となると見込んでいる。同モデルは高級セダン「A8」と社用車としての購入が多い「A6」との中間に位置する。A7はモデルサイクルの総計で約20万台を販売する計画。BMWやメルセデスからA7に乗り換える顧客は、A7の顧客全体の7割を占めると見込んでいる。
\競合のメルセデス・ベンツはアウディと同様に2015年までに販売規模を150万台以上に引き上げる目標を掲げる。一方、BMWは2012年までに160万台の達成を目指している。
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