独自動車大手のダイムラーは12月23日、ロシア同業のGAZとデリバリーバンを共同で現地生産する計画についての覚書（MoU）を交わしたと発表した。ニージニー・ノブゴロドにあるGAZの本社工場でメルセデス・ベンツの「スプリンター」を生産する。
\両社は同モデルに搭載するエンジンや駆動装置、車軸などの部品も現地生産する方針で、2011年から生産ラインの近代化や従業員向けの研修などを開始する。生産規模は年約2万5,000台を予定している。
\ダイムラーはGAZとの生産提携を通して、今後大きな成長が期待されるロシア市場で販売を強化する。生産ラインの近代化などに1億ユーロ以上を投資する計画だ。同社はデリバリーバン事業ではこれまで、西欧と北・南米を中心に事業を展開してきた。同社では、ロシアの中・大型バン市場の規模が現在の約11万7,000台から、2020年には、約27万5,000台に拡大すると予想している。
\一方、ロシア政府は国内自動車産業の近代化と振興を推し進めている。ダイムラーとの生産提携により、近代的な技術の導入や競争力の強化による雇用創出効果に期待している。
\独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、GAZはバンのほか、トラック、バス、乗用車、道路建設機械などを生産。ロシアの商用車市場（総重量2.8～8.2トン）におけるシェアは約50％に達している。
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