米自動車部品大手のジョンソンコントロールズは12月30日、ドイツのプッチュ・ホールディングからカイパー・レカロ・グループの自動車シート事業を買収すると発表した。取引の対象となるのは、シートシステムメーカーのカイパーとレカロのスポーツおよび特殊シート部門。カルテル当局の認可を得て、2011年上半期にも取引は完了する見通し。買収価格は公表していない。
\カイパーは背もたれ角度を調整できるリクライニングシステムや金属部品、機構部品を得意とし、カイザースラウテルンに本社と開発センターを持つ。レカロはシートのほか、金属部品、機構部品を生産している。
\カイパーはジョンソンコントロールズの金属・機構部品部門に統合される。レカロの事業は、シート部品部門に統合され、新たな製品グループの一部となる。
\ジョンソンコントロールズは今回の買収について、シート部品事業の強化と中国や北米事業の拡大に寄与するとコメント。自動車業界のグローバル化加速や、プラットフォームの共通化といった動向に対応していくとしている。
\取引対象となるのは欧州、北米、アジアにある13の拠点とその従業員約4,750人で、ブラジル事業は対象外となる。対象事業の2010年の売上高は約7億5,000万ユーロだった。レカロは今後、航空機用シート（レカロ・エアクラフト・シーティング）、チャイルドシート（レカロ・チャイルド・セーフティ）、新規事業の家庭用チェア（レカロ・ホーム）の3事業に専念する。
\ \■ シート事業で買収を積極化
\ \ジョンソンコントロールズは2010年12月に、独自動車用シート大手のCRH（C.Rob.Hammerstein）を買収する契約に調印したと発表したばかり。CRHは独中西部のゾーリンゲンに本社を置き、9カ国で事業を展開、約3,600人を雇用する。CRHの事業は、ジョンソンコントロールズの金属・機構部品部門に統合されることになっており、特に中国、メキシコ、トルコ、ハンガリー、ルーマニアにおける事業が大きく成長すると期待されている。
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