ドイツのハイテク企業ノマディック・パワーが開発中の移動型充電池。例えば、電気自動車の外付けレンジエクステンダーや、路上で停止した電気自動車を充電するための移動型急速充電器、太陽光発電設備の余剰電力の充電池として利用できる。
欧州連合（EU）の欧州委員会は、研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」の小規模・中堅企業向け支援プログラム（SME Instrument）から、Nomadの量産化・市場投入に向けたプロジェクト「MobileBattery」に200万ユーロを支援する。
Nomadはプロトタイプの開発段階にあり、量産化に向けた開発・試験や、市場投入に向けた取り組みを支援する。ノマディック・パワーはEU支援プロジェクトの終了後、2017年初めの量産・市場投入を計画している。
40kWh、60kWh、85kWhの3タイプがあり、85kWhの製品では、最大で約1週間分の太陽光発電による余剰電力を充電できるという。また、急速充電器としては、16アンペアの充電ソケットを使用して20分以内に電気自動車を充電できるという。小型電気自動車であれば航続距離を最大400キロメートル伸ばすことができるという。
Nomadは、交流（AC）型および直流（DC）型急速充電ステーションのあらゆる充電規格（mode1、mode2、CCS、CHAdeMO）に対応しており、すべての電気自動車で利用できる。
ノマディック・パワーはドイツのダルムシュタットに本社を置き、シュツットガルトに開発子会社BVB INNOVATEを持つほか 、米カリフォルニア州のパロアルトに拠点がある。
同社は、電気自動車などのエレクトロモビリティー（電気駆動車）や太陽光発電を中心とする再生可能エネルギーに注目しており、当該分野に同社の製品の需要があると見込んでいる。
