欧州司法裁判所は7月29日、米ビール大手アンハイザー・ブッシュ（現アンハイザー・ブッシュ・インベブ）の主力製品「バドワイザー」のEU全域での商標登録は認められないとする判決を下した。アンハイザーと競合するチェコのブジェヨビィツキー・ブドバルの異議申立を受けて商標登録を拒絶した欧州共同体商標意匠庁（OHIM）の判断を妥当と認定した形。これにより14年に及んだ同訴訟はアンハイザー・ブッシュの敗訴で決着した。
\アンハイザーは1996年にEU全域で商標権が保護される共同体商標の登録出願を行ったが、ブドバルは当時すでにオーストリアとドイツで「バドワイザー」を商標登録していたとしてOHIMに異議を申し立てた。OHIMはブドバルの主張を認めて2007年にアンハイザーによるバドワイザーの商標登録を拒絶。アンハイザーは決定を不服として欧州司法裁の第一審裁判所に提訴したが、同裁判所は2009年3月、「先行する登録商標」を根拠とするブドバルの異議申し立てを認めたOHIMの判断を支持していた。
\アンハイザー・ブッシュはこの判決を不服として上訴したが、欧州司法裁は第一審裁と同様の結論を下し、訴えを退けた。
\今回の判決でアンハイザー・ブッシュの敗訴は確定し、「バドワイザー」のOHIMでの商標登録は認められないが、同社はEU加盟国のうち23カ国で個別に「バドワイザー」の商標権を持っており、これらの国での「バドワイザー」ブランドの販売に影響はない。
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