欧州委員会は20日、経営難に陥っている国営エストニア航空に対する同国政府の公的支援がEU法に違反する疑いがあるとして、本格調査を開始すると発表した。
\エストニアのフラッグ・キャリアであるエストニア航空は民間航空会社だったが、2006年から経営危機が深刻化し、2010年に国有化された。
\エストニア政府は昨年、同社に830万ユーロの緊急融資を実施することを決め、12月に欧州委に認可を申請していた。ところが審査の過程で、政府が欧州委に無断で2009～12年に3回に分けて総額5,720万ユーロの公的資金を注入していたことが発覚。欧州委は、企業への公的支援は10年間で1回に限り、しかも対象企業の長期的再建につながらないものは禁止するというEUのルールに抵触している疑いがあるとして、本格的な調査に踏み切った。
\EUでは昨年、ハンガリー政府による国営マレブ・ハンガリー航空に対する金融支援がEU競争法違反と認定され、政府が供与した資金の回収を命じられた例がある。
\
