中欧石油最大手のMOL（ハンガリー）は21日、イタリア同業エニの国内下流事業を買収すると発表した。中東欧事業の拡大戦略に沿ったもので、小売市場でのシェア拡大を通じて流通経路を広げ、中核の石油精製事業の強化につなげる。独禁当局の承認を経て取引が成立する。
買収は「アジップ」ブランドのガソリンスタンド183カ所と卸事業が対象で、潤滑油事業は含まない。スタンドのうちエニの直営店は108店舗。
MOLは中東欧の卸・小売事業の拡大に向けてエニの下流事業の買収を進めている。今年2月にはルーマニアの当該事業買収が完了。7月にはチェコとスロバキア事業の買収が完了した。今回の取引によって小売網は11カ国の約2,100店舗に拡大する。
