チェコのヤノタ財相は、14日付の日刊紙『Lidove Noviny』でのインタビューで、2013年までに欧州連合（EU）が要求する水準に財政赤字を抑制することは不可能だとの見解を示した。EUは各加盟国に単年度財政赤字を国内総生産（GDP）比3％以内に抑えるよう財政規律を課しているが、チェコの財政赤字は09年で7.5％。今年も5.3～5.4％に達する見込みで、同財相は「残り2年で、GDP比1％ずつの赤字削減は無理」だとしている。
\政府は1月末、財政赤字削減の道筋を示す「収れん計画」をEUに提出する予定で、この中で財政健全化にはさらに時間がかかるとの見通しを明らかにするもよう。EUはチェコに対し、13年を是正期限として財政規律の順守を求めているが、チェコ政府は是正期限の延長などを求めるとみられる。ただ、単年度財政赤字を3％以内に抑制するというこの基準は、ユーロ導入の条件にも挙げられている。EUが是正期限の延長を認めたとしても、チェコが中期目標に掲げるユーロ導入実現は遅れることが確実だ。
\ヤノタ財相は、赤字削減が進まない理由を単年度で約1,000億コルナの赤字を出す社会保障部門にあると指摘する。チェコ各党は総選挙を前に、同部門の改革を唱えるどころか、年金受給者へのボーナス支給、病欠時最初の3日間の手当支給など、さらなる充実を図ると声を上げている。だが、財相は「そんな余裕はない」と断言。不人気でも同部門の支出削減に切り込むべきだとして、大衆迎合的な政策を訴える各党を批判した。（1CZK＝5.0JPY）
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