チェコのヤノタ財務相は9日、国営チェコテレビの討論番組に出演し、2011年に歳出削減と増税により400億～450億コルナの歳入増を確保し、財政赤字を対国内総生産（GDP）比で4.8％まで抑制することを目指すと明らかにした。
\ヤノタ財務相は、財政赤字比率を4.8％に抑えるという目標は、チェコが欧州連合（EU）の欧州委員会に提出した財政計画（収れんプログラム）に明記されていると指摘。「（目標達成は）信頼の問題だ」と述べ、財政赤字削減は最優先課題であると強調した。財政再建は増税と歳出削減を組み合わせて行う方針だが、直接税の引き上げは、高所得者層への所得税率引き上げを除いて実施しない意向を示した。なお、議会が先月に可決した10年度予算案は、財政赤字を1,630億コルナとし、対GDP比で5.3％となっている。
\今月28～29日に投票が行われる総選挙を控えた世論調査では、最大野党の社会民主党（CSSD）が与党・市民民主党（ODS）をリードしており、政権交代の可能性が濃厚。社会保障支出の拡大を主張するCSSDが勝利すれば、現政府の進める緊縮財政路線からの転換もあり得るため、選挙戦の行方に注目が集まっている。（1CZK＝4.5JPY）
\
