アイルランドの市場調査大手リサーチ・アンド・マーケッツ社（R&M）は先ごろ、ポーランドのIT市場は中東欧地域で最大の成長力を持つとする報告書を発表した。
\同報告書『ポーランドITリポート』（ 2010年第2四半期号）によると、ポーランドのIT市場は2010年から14年まで年7％のペースで拡大し、14年にはコンピュータ機器市場が約35億米ドル、ソフトウエア21億ドル、ITサービス36億ドルと、全体で92億ドルに達する見込み。現在の市場規模は欧州連合（EU）全体の2％にも満たず、人口1人あたりのIT支出額は175米ドル。チェコを大幅に下回り、ハンガリーやスロバキアにも劣る水準だ。
\今後の成長をけん引するのは政府が推進する多様なITインフラプロジェクトで、EUの助成金で今後5年間の投資額の約4分の3をまかなう計画だ。今年は企業のシステム投資需要が拡大するが、一般事業者や消費者の需要は引き続き景気動向に大きく左右されるとみられる。
\ポーランドはこれまで、コンピュータの普及率が比較的低いうえ（2008年で約50％）、通信回線使用料が高く、都市部と地方の格差が大きいことなどにより、インターネット市場の拡大が遅れていた。R&Mは、ブロードバンドの利用拡大には、国内通信最大手テレコムニカーツィヤ・ポルスカ（TPSA）のインフラ事業とサービス事業を分社化させて市場の自由化を進め、地方でのWLANの普及を促進することが重要と指摘している。
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