ロシア銀行2位で国営の外国貿易銀行（VTB）が2日発表した2010年1－3月期決算は、純利益が153億ルーブルとなり、205億ルーブルの赤字だった前年同期から黒字転換した。経済環境が好転、貸し倒れ引当金計上額が減少したことなどで四半期としては過去最高の利益を計上した。業務純益も407億ルーブルと、前年同期の66億ルーブルの赤字から黒字に復帰した。
\融資全体に占める不良債権比率は10.2％。前期末から0.4％の上昇にとどまり、貸し倒れ引当金計上額は前年同期の3分の1以下となる155億ルーブルに縮小した。不良債権に対する引当率は96％。ティア1自己資本比率は前期末の14.8％から16.2％に向上した。
\同行は今年、貸付総額を15％伸ばすことを目標に掲げる。だが、1-3月は消費者ローンこそ4％拡大したものの、法人向けは1％増、リテールローンは3.7％減少し、全体でほぼ変わらず。これについてコスティン頭取は「融資需要が依然低いうえ、優良顧客対する競争が激化している」と説明。ムース副頭取は、ロシア中銀が繰り返し実施した利下げにより「金利マージンは1-3月の5.2％から年末には4.6％以下に低下する」と述べ、利下げが性急すぎると批判した。（1RUB＝2.9JPY）
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