チェコ統計局（CSU）が7日発表した通関統計（名目ベース、速報値）によると、5月の貿易黒字は144億コルナとなり、市場予想の108億コルナを大きく上回った。輸出の好調によるもので、特に機械・輸送運搬機械がけん引した。
\輸入が17.5％伸びたのに対し、輸出は18.2％拡大。その結果、黒字が1年前から32億コルナ増加した。対外取引高は17.8％増の4,706億コルナとなり、金融危機前の2008年5月の実績を612億コルナ上回った。国内基準で算出された国際収支は150億コルナの黒字で、150億コルナの赤字を予想していた市場を驚かせた。ただ、前月比（季節調整済み）では輸出が0.7％、輸入が1％後退した。
\製品群別で黒字が増加したのは、「機械・輸送運搬機械」（87億コルナ増）、「その他工業製品」と「原料・材料」（10億コルナ増）だった。黒字が縮小したのは、「燃料を除く石油製品、非食用原料」（19億コルナ減）と「飲料・たばこ」（2億コルナ減）。赤字が悪化したのは「鉱物性燃料、潤滑油など」（40億コルナ）、「化学品および関連製品」（13億コルナ）、「食品・動物」（2億コルナ）だった。
\「機械・輸送運搬設備」の輸出は全体として19.6％拡大した。内訳をみると、自動車が53億コルナ、電気機器が49億コルナ、事務機器・コンピューターが42億コルナ伸びた。
\一方、輸入は15.7％増加。うち、「その他の輸送運搬機械」が27億コルナ、電気機器が25億コルナ、自動車が24億コルナ拡大した。自動車業界で増産が予定されていることから、自動車の輸出は今後数カ月、拡大基調が続きそうだ。
\「鉱物性燃料、潤滑油など」の輸入額は29.6％増加した。うち、原油は数量ベースで15.7％縮小したのにも関わらず、金額ベースでは6.4％増加した。天然ガスは数量ベースで12.1％、金額ベースで26.1％、それぞれ拡大した。
\欧州連合加盟国との取引収支は561億コルナの黒字で1年前から55億コルナ拡大した。国別で入超額が増えたのはドイツ、スロバキア、フランスだった。
\非加盟国との貿易赤字は23億コルナ増の417億コルナに悪化した。中国との取引で赤字が拡大したのに対し、対ロシア取引では赤字が縮小した。
\金融危機を通じて、欧州連合内での取引にチェコ経済が大きく依存していることが明白になった。このため、チェコ経済会議所では、取引する地域と対象製品を広げる必要があると指摘している。
\1-5月期の輸出は19.4％、輸入は20.1％、それぞれ増加し、805億コルナの入超となった。ここでも収支の改善に寄与したのは「機械・輸送運搬機械」で、「鉱物性燃料・潤滑油など」と「化学品および関連製品」では赤字が拡大した。
\ライフアイゼンバンクでは今年通期の貿易黒字が前期の1,280億コルナから1,550億コルナに増加すると予想している。（1CZK＝4.58JPY）
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