2011/7/13

チェコ・スロバキア

チェコ鉱工業生産、5月は15.2%増

この記事の要約

チェコ統計局が8日発表した5月の鉱工業生産高は前年同月に比べ15.2%増となり、最も楽観的な予測をも上回る大幅な伸びを記録した。前月比では4.7%だった。労働日数調整値は前年同月から12.6%、季節調整値は前月から2.7 […]

チェコ統計局が8日発表した5月の鉱工業生産高は前年同月に比べ15.2%増となり、最も楽観的な予測をも上回る大幅な伸びを記録した。前月比では4.7%だった。労働日数調整値は前年同月から12.6%、季節調整値は前月から2.7%、それぞれ増加した。ただ、輸出相手国の成長ペースが緩んでおり、今後、チェコ工業生産も減速が予想される。

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鉱業が前年同月から23%、製造業が15.8%、電力・ガスが5.4%、それぞれ成長した。

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製造業の部門別成長率は、自動車・トレーラー・セミトレーラーが前年同月比で29.9%、機械・設備が22.7%、電機が25.7%となるなど、6部門が20%を超える高い成長率を示した。一方でコンピューター・電子光学機器は9.5%も減少。食品は2.8%、家具も4.8%縮小した。

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鉱工業の名目売上高成長率は13.9%と、生産高を下回っており、在庫増加を示唆している。新規受注高は5.2%増で2009年以来、最も小さな上げ幅となり、受注残高の伸び率も2009年第4四半期以来最低のレベルだ。チェコの主要取引国であるドイツなど欧州連合諸国の成長減速もあり、今後は工業生産の拡大ペースが鈍るとみられる。

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輸出高が21.8%増加した一方で、国内出荷高(非製造企業を経由した輸出を含む)は6.9%の伸びにとどまった。

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新規受注は国外で10.8%拡大する一方、国内では3.9%後退した。業界別では自動車・トレーラー・セミトレーラーが9%、機械設備が18.2%、金属加工が17.1%、それぞれ増加し、全体をけん引した。これに対し、コンピューター・電子光学機器は28.7%の大幅減。紙・紙製品も2.3%減少した。

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従業員50人超の製造企業における平均雇用数は3.7%増加した。名目賃金(月額)は6%増の2万6,570コルナ。

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■5月建設高は4.9%減

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CSUが同日発表した5月の建設高は前年同月比で4.9%減少し、前月の6%減からやや改善した。ただ、労働日数調整値では6%減となった。季節調整値では前月実績を1.2%上回った。

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住宅完工数は前年同月比で18.8%減の2,023件、着工数は6.4%増の2,985件だった。建築許可数は9%増の1万568件に拡大した。許可取得済物件の契約高は362億コルナ。比較対象となる昨年5月が高い水準だったことや、交通インフラ、環境保護向け工事が減ったことが理由となり、9.8%の減少となった。

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従業員50人超の建設企業における平均雇用数は4.1%減少。平均賃金(月額)は6.7%増の2万8,818コルナだった。(1CZK=4.58JPY)

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