ロシアと西欧でトップビジネスマンの報酬を比較すると、ロシアが西欧を上回っていることがこのほど明らかになった。大手コンサルティング会社のヘイグループ調べによると、ロシアの代表的な企業の役員の平均給与は、西欧の企業役員と比べ40％、ボーナスは60％も高かった。
\ヘイグループのロシア責任者であるチェルノズボヴァ氏によると、ロシアでの調査に参加したのは大企業のみであり、平均的なロシア企業の役員報酬が西欧より高いと言い切るにはデータが少ないとしている。ただ、欧州連合（EU）では世界金融危機をきっかけに金融機関などの高額ボーナスに規制を設ける動きが進んでいるのに対し、ロシアではそうした制限がないため、ボーナスに関しては一般的に高い傾向がある。ロシアでは、調査対象となった役員のほぼ全員が、企業予算で決定された額あるいはそれ以上の額をボーナスとして受け取ったと回答したのに対し、西欧では予算で決定された以上の額を受け取った人は60％にとどまった。一方、人材派遣会社アンタル・ロシアのジョーンズ氏は、役員の報酬はロシアも西欧に大きな違いはないが、ロシアの所得税率は13％と低いことが、可処分所得に大きな違いを生んでいるとしている。
\ロシアの役員報酬が高額な背景には、シニアマネジャークラスの人材が極端に不足しているため、需要が大きいという事情もある。人事コンサルティング会社Rosexpertの共同取締役であるシェフチェルマン氏は、「西欧企業は人的資源の開発に長い間投資してきたが、ロシアでは緒についたばかりだ」と指摘している。
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