欧州委員会（EU）が、経営難に陥って公的支援を受けた独バイエルン州立銀行に対して、ハンガリー子会社のMKBを2015年までに売却するよう求めている。バイエルン州政府のゼダー財務相が11日、独フィナンシャル・タイムズとのインタビューで明らかにした。ただし、希望する価格を受け入れる売却先が見つからない場合、欧州委員会が特別に猶予期限を設ける公算が大きいという。
\バイエルン州立銀行は、2008年の金融危機（リーマンショック）で大きな打撃を受けたほか、オーストリアのヒポ・グループ・アルペ・アドリア（HGAA）の買収で計80億ユーロ弱の損失を被った。くわえて、ハンガリーで外貨建て住宅ローンの返済不能が急増したため、同国政府が救済措置として当該ローンの返済に為替レート固定制度を導入したことでMKBの経営が悪化。これにより、バイエルン州立銀行は、州政府から100億ユーロの公的支援を受けることになった。
\バイエルン州と欧州委員会は9日、バイエルン州立銀行が再建に向けて5,000人規模の人員削減を含むリストラを実施することや、2015年までに総資産を1,000億ユーロ削減し、2,000億ユーロに圧縮する、さらに、同州から受けた公的支援の半額（50億ユーロ）を2019年までに返済することなどで合意した。
\これについて、同州のゼダー財務相は、『欧州委員会はMKBの売却期限については柔軟な姿勢を見せている』と述べ、現状（欧州債務危機）下で、銀行を売却することが難しいことは、欧州委員会も承知しているとの見解を示した。
\なお、バイエルン州立銀行は1994年にMKBの株式の95.23％を取得して子会社化した。
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