欧州司法裁判所の第一審に当たる一般裁判所は12日、欧州委員会がハンガリー石油・ガス大手MOLに不当な補助金の返納を命じた問題をめぐる訴訟で、同社の主張を認め、返納命令を無効とする判決を下した。
\MOLは2005年にハンガリー政府と炭化水素の採掘の大部分について、採掘料を2020年まで据え置く協定を締結した。これに対して、2008年初めの採掘法改正で採掘料を大幅に引き上げられた競合会社が、MOLだけが優遇されているとして欧州委に調査を要請。欧州委は2010年6月、政府によるMOL優遇はEU法に反する不当な補助金支給に当たると認定し、MOLに補助金とみなされる額に金利を上乗せした1億1,200万ユーロを国庫に返納するよう命じた。
\返納額はMOLにとって、2009年利益の約3分の1に相当する水準。同社は欧州委の決定を不服として、欧州裁に提訴した。
\一般裁判所は、採掘料を2020年まで据え置く協定について、結果的にMOLだけに認められたもので、他社も締結することができたが要求しなかったとして、不当な優遇措置や補助金交付には当たらないと認定し、返納命令の取り消しを命じた。
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