スイスの銀行を利用してドイツの富裕者層が脱税していた事件で、税務当局がすでに家宅捜査を開始していることが分かった。19日付『フランクフルター・アルゲマイネ（FAZ）』紙が捜査を受けた容疑者の弁護士と、脱税容疑者1,500人のデータを記録したCDを連邦政府と共同で購入したノルトライン・ヴェストファーレン（NRW）州財務省への取材をもとに報じた。同弁護士は捜査関係者との話し合いで、本格的な捜査の第一波が3月第4週に到来するとの感触を得たとしている。
\家宅捜査を受けたのはドイツ南部に住むクレディ・スイスの顧客。捜査担当者は同容疑者の自宅を訪問した際に口座残高を正確に把握していたという。
\捜査のきっかけとなったCDの買い取りをNRW州当局が打診されている事実が分かったのは1月末。同州と連邦（国）が実際に買い取ったのは2月に入ってからで、容疑者の弁護士は当局が捜査に動き出すまでの時間の短さに驚きを示した。NRW州財務省はFAZ紙に対し、他の州の当局に2週間前にデータを送ったことを明らかにした。
\CDの買い取りに関する報道が始まってからこれまでに、脱税を行ってきた納税義務者1万人が税務当局に自己申告した。捜査開始前に申告すれば刑罰を免除されるためで、今回、捜査を受けた容疑者は申告していなかった。税務当局はすでに1,100人を対象に捜査手続きを開始している。
\同容疑者の弁護士によると、捜査担当者は容疑者がどの銀行の行員からアドバイスを受けていたかについても系統的な尋問を行ったという。脱税をほう助した行員を突き止め、そこからさらにCDに記録されていない新たな脱税容疑者の情報を得る思惑とみられる。
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