ドイツ企業に対する国外情報機関のスパイ活動が増加している。連邦憲法擁護庁と連邦内務省の関係者がこのほど、ジャーナリストとの会談のなかで明らかにしたところによると、特にロシアと中国の情報機関の活動が顕著で、企業の製品開発や市場情報が標的になっている。企業スパイによる推定被害総額は年500億ユーロに上るという。
\ロシアでは対外情報局（SWR）、連邦軍参謀本部情報総局（GRU）、連邦保安局（FSB）が数十万人の要員を抱え、ロシア企業と外国企業の提携の裏で情報活動を展開している。また、中国の情報機関はドイツ国内に住む8万人の中国人の接触情報を把握しているうえ、在独大使・領事館の職員はドイツで生活する研究者から情報を聞き出すことを任務としている。
\連邦憲法擁護庁によると、ドイツの中小企業のスパイ対策は特に不十分で、ウィルス対策などIT設備の安全強化だけに限られている場合が多い。中国人の研修社員がスパイ行為を働いていたケースなどもあり、社員の採用などでも防護措置をとる必要があるという。
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