商品テスト機関のStiftunf Warentest(SW)は7日、家具製造・販売大手イケアがドイツで4月から販売しているプレハブ工法のテラスハウス「Boklok」に関するテスト結果を公表。契約約款の一部が買主に著しく不利になっているうえ、壁に画びょうや釘が一切打てないなど、建築上の重大な欠陥もみられると強く批判した。SWはブレーメンとラインラント・プファルツ州の消費者センターと共同で、ヴィースバーデンの物件を調査した。
\Boklok(スウェーデン語で「賢く生活する」の意)はイケアが開発したプレハブ式テラスハウスで、ヴィースバーデンのアウリンゲン地区のほか、オッフェンバッハ、ホーフハイムで売り出しを予定している。ヴィースバーデンの物件は、床面積84平方メートルの3DKが土地つきで19万8,500万ユーロ、102平米のメゾネットで同26万8,000ユーロとなっている。工事はヘッセン州の住宅建築会社Bien-Zenkerが請け負う。
\契約内容についてSWなどが特に問題視しているのは、◇建築業者が工事や設計、仕様を予告なく変更できる範囲が「建設上で通常容認される範囲内」とあいまいにしか規定されていない◇損害や瑕疵(かし)担保責任が不当に制限されている◇住宅引き渡し時期の保証がない――などの点。これらは買主側に著しく不利だと批判している。また、買主は15年の長期にわたって特定の電力・暖房熱供給会社と契約することを義務づけられ、料金の安い供給会社に変更ができないことも、不当な制限だと指摘している。
\これに対しイケアの広報担当者は、「わが社の住宅契約約款は、業界で通常使われているものと何ら変わらない。SWが具体的にどの契約条項や工事内容を問題にしているのか、こちらでは全く見当がつきかねる」と発言。今後、SW側と協議のうえで批判内容を確認するとともに、社内でも調査を開始する方針を明らかにした。
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