ドイツ政府は2日、空売り規制法案を閣議決定した。財政が悪化した一部のユーロ加盟国に照準を合わせた投機筋の大規模な空売りが、沈静化していた金融危機を再発させかねない状況となっているため、他国に先駆けて規制を強化し、市場の安定化を図る意向だ。欧州連合（EU）の欧州委員会は証券・デリバティブ取引をめぐる投機の規制に向けた政策案を10月に発表する予定。
\政府は取引の裏付けとなる証券を借り受けずに行う空売り（ネイキッド・ショート・セリング）を禁止する方針。対象となるのはドイツ市場で取引される株式とユーロ加盟国の国債、およびこれら国債を対象としたクレジット・デフォルト・スワップ（CDS）。ドイツ連邦金融監督庁（BaFin）はすでに5月18日付でユーロ圏の国債と国債を対象としたCDS、国内10金融機関の株式について同空売りを禁止しており、政府は今回の法案により対象を拡大する意向だ。
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