飲食店での喫煙の是非をめぐる州民投票（レファレンダム）が4日バイエルン州であり、例外なき禁煙を支持する投票者が全体の61％と過半数を制した。これに伴い同州では全国で最も厳しい喫煙規制が8月1日から導入される。
\バイエルン州では2008年1月に喫煙を厳しく制限する法律が施行、会員制の喫煙クラブを除くすべての飲食店に全面禁煙が導入された。
\だが、ビール王国の同州ではこれに反発する市民も多かった。居酒屋やビアホールでビールを飲みながらたばこを吸うのは伝統に深く根ざしていたためである。
\愛煙家の反発は特に州与党・キリスト教社会同盟（CSU）に向けられた。保守層を支持基盤に持つにもかかわらず、「伝統を否定する」禁煙法案を支持したためで、CSUは08年秋の州議会選挙で大敗した。
\同党はこれを受けて喫煙規制の緩和へと方針転換。ゼーホーファー州首相（CSU)は「バイエルン州民の魂を傷つけたこの法律は改正されねばならない」と明言し、小規模な居酒屋や喫煙ルームを設置した飲食店、オクトーバー・フェストなど屋外テントでの喫煙を認める方向で法改正を行った。
\こうなると嫌煙権を主張する市民が反発するのは自明の理で、これら市民は中道左派政党などの支援を受け厳格な禁煙ルール導入を求める市民運動を展開。今回のレファレンダムを実現した。
\8月1日からは当初の法律よりも厳しい禁煙ルールが導入され、喫煙クラブも禁止となる。
\200年目を迎えるミュンヘンのオクトーバー・フェストで今年に限り喫煙が認められることは愛煙家の唯一の慰めだろうか。
\
