自動車大手の独Volkswagen（VW、ヴォルフスブルク）は5月31日、出資先のトラック大手MANに対する株式公開買い付け（TOB）で普通株を1株当たり95ユーロで買い取ることを正式発表した。これは現在の株価を下回る水準で、応じる株主はいないと予想される。
\VWは5月初旬にMANへの出資比率を30％超に引き上げたため、法律の規定により形式的にTOBを実施する。TOBを通して他の株主から株式を買い上げる意思はなく、MANの株価が下がるのを待って適宜、市場で買い増し出資比率を最終的に40％程度まで拡大。株主総会で過半数を確保しMANを実質的な支配下に入れる意向だ。
\VWは5月上旬、同社と子会社Scania、およびMANの3社からなるトラック分野のアライアンス実現に向け、MANへのTOB方針を明らかにした。MANを傘下に収めないと、3社の共同調達計画が独禁法に抵触して実現しないという事情が背景にある。
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