経営危機に直面する高級民生家電メーカーの独Loewe（クローナハ）は7月31日、中国同業の海信グループと戦略提携契約を締結した。調達、生産、開発、販売でシナジー効果を引き出し、経営再建につなげる意向だ。
\同社は今後、これまでよりも低い価格帯の製品を投入する意向で、これらの製品の生産を海信に委託する。また、テレビ用パネルを海信から長期調達するほか、海信を通して中国販売にも乗り出す。
\一方、海信はLoeweが西欧に持つ販売網を活用、特にドイツ語圏とベネルクス諸国で自社製品を販売していく。まずはテスト市場としてオーストリアに参入する計画だ。このほか、Loeweが開発したテレビ用ソフトウエアを自社製品に投入する。
\Loeweは7月中旬、経営者が退陣せず自ら経営再建に取り組む計画の承認をコーブルク区裁判所に申請した。これにより3カ月間は債権者の介入を受けずに経営再建を進めることができる。経営陣は今回の提携が事業資金の獲得に向けて現在進めている投資家との交渉の追い風になるとみている。
\Loeweが同日発表した2013年1-6月期（上半期）決算の売上高は7,650万ユーロで、前年同期から39％減少した。欧州テレビ市場の低迷が響いた格好で、営業赤字は前年同期の210万ユーロから2,420万ユーロに膨らんだ。
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