半導体大手の独インフィニオン（ミュンヘン）は20日、米同業インターナショナル・レクティファイアー（IRF）を買収することで合意したと発表した。電力の制御・供給を行うパワー半導体の分野で事業を強化する狙い。製品の幅や販売地域を拡大するほか、規模の効果を引き出していく考えだ。
IRFを1株当たり現金40ドルで買収する。これは過去3カ月間の加重平均株価を47.7％、前日の終値を50.6％上回る水準。買収総額は約30億ドルで、同社史上、最大となる。買収手続きは独禁当局の承認などを経て今年末～来年初頭に終了する見通しという。
IRFはパワー半導体に特化したメーカーで、2014年6月期の売上高は11億657万ドルに上った。インフィニオンは同社の買収により、パワー半導体世界1位の地位を一段と強化にするほか、シリコン上窒化ガリウム（GaN）をベースとするパワー半導体の製造ノウハウを取得。また、米国、アジアでのプレゼンスを強化する。
買収金額のうち8億ユーロは手持ちの現金でカバーし、残り15億ユーロを銀行融資で確保。歴史的な低金利をフルに活用する。
