独電気通信サービス大手のユナイテッド・インターネット（モンタバウアー）は3日、出資先の同業企業フェルザテル（Versatel）の資本74.9％を投資会社KKRから取得し、完全子会社化すると発表した。フェルザテルは光ファイバー通信網の有力企業で、法人向け事業に強く、ユナイテッド・インターネットは買収により当該事業を強化。最大手のドイツテレコムを追撃する考えだ。シナジー効果は年5,500万ユーロを見込む。
フェルザテルの資本74.9％を5億8,600万ユーロで譲り受ける。フェルザテルの債務3億6,100万ユーロも引き受けるため、買収総額は9億4,700万ユーロに上る。
フェルザテルの光ファイバー通信網は総延長が3,700キロメートルで、国内2位。全国の226都市で利用できる。同通信網には企業や機関など5,000以上の顧客が直接、接続している。
フェルザテルはこのほか、DSL（デジタル加入者線）分野で約44万人の顧客を持っており、ユナイテッド・インターネットは買収によりDSL顧客数を412万人に拡大。ボーダフォンを抜いて、ドイツテレコム（同1,236万人）に次ぐ2位に浮上する。
フェルザテルはDSL通信網をドイツテレコムから借り受けている。今後は2019年までにフェルザテルに1億4,500万ユーロを投資。光ケーブル通信網を拡充するなどして、ドイツテレコムへの依存を軽減するとともに、同社から顧客を奪い取る考えだ。
