保険大手のアリアンツ（ミュンヘン）はドイツ本国で、すべての個人向け保険商品をインターネットで契約できるようにする。代理店を通した伝統的な販売ルートが細っているためで、まずは契約が比較的簡単な自動車保険で実施する。同社は23日、従業員に新戦略の説明を行った。
アリアンツでは2005年当時、自動車保険顧客の約90％を代理店経由で獲得していた。現在は同比率が50％を割り込んでいる。
一方、競合HUKコーブルクはオンライン販売子会社HUK24を通して顧客を大量に獲得。アリアンツを抜いてドイツ最大の自動車保険会社となった。
アリアンツはこうした状況を踏まえ、全商品をネットで販売する戦略を練り上げた。8,000万ユーロを投じて新たなウェッブサイトを立ち上げる計画だ。
同社は5年前に同様の取り組みを行おうとしたが、存在基盤の掘り崩しを恐れた代理店の強い抵抗にあってとん挫した。今回はこの経験を踏まえ、ネットで契約した顧客が自動的に居住地の代理店に割り振られるよう配慮。代理店の支持を取り付けた。最近は代理店が自らフェイスブックなどを通して顧客とコンタクトを保つようになっており、今回の戦略は拍手で歓迎されたという。
