独自動車大手のダイムラーは、バス部門でコスト削減を実施する方針だ。西欧と北米市場で販売が低迷していることに対応するもので、ドイツの2工場で人員削減を検討している。同部門を統括するハルトムート・シック事業本部長が12日、明らかにした。
\ダイムラーが同日発表したバス部門の11年世界販売（シャーシ含む）は3万9,740台で、前年から2％増加し、2008年に次ぐ過去2番目に高い数字を記録した。高価格タイプのバス需要が世界的に伸び悩んだものの、南米市場では前年比8％増の2万5,000台を販売し、全体をけん引した。トルコ市場でも55％増の1,100台を販売し、絶対数としてはまだ小さいものの飛躍的な伸びを示した。一方、西欧では17％減の5,900台、北米では前年のほぼ3分の2の水準（600台）に落ち込むなど、苦戦した。販売全体に占める低価格帯モデルの割合が高まったことで売上高は前年の46億ユーロから44億ユーロに、営業利益（EBITベース）も2億1,500万ユーロから1億6,200万ユーロに減少。売上高利益率は4.7％から3.7％に悪化した。
\バス部門を統括するハルトムート・シック事業本部長は「あらゆるコスト改善策を検討しなくてはならない」と述べ、人員削減を示唆した。メディア報道によると、独マンハイム工場とウルム／ノイウルム工場の計7,280人の約1割が今回のコスト削減の影響を受ける見通しという。
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