世界の自動車業界で連携の動きが加速する中、伊フィアットが提携先を模索している。マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は6日、提携先の候補として日本のスズキとマツダも選択肢となりうるとの見解を示した。
\マルキオンネCEOは、マツダとスズキについて「フィアットと相互補完的な関係を築ける」として提携は理にかなっていると説明。他のあらゆるメーカーと並行する形で、両社との協議を継続中であると明らかにした。
\フィアットは中核市場である欧州での販売が頭打ちになる中、生き残りをかけて提携先を探っているが、欧州メーカーの多くはすでに他社と連携しており、今月初めには仏プジョー・シトロエン・グループ(PSA)が米ゼネラル・モーターズ(GM)との資本提携を発表するなど、選択肢は狭まる一方だ。このため、フィアットは日本メーカーとの連携を通じて手薄なアジア市場のテコ入れに乗り出すことを視野に入れ始めたと見られる。なお、フィアットと米子会社クライスラーのアジア・太平洋地域での売り上げはグループ全体の3%にとどまっている。
\一方、現在フィアットからディーゼルエンジンの供給を受けているスズキの広報担当者は、両社の提携関係を拡大する可能性について明言を控えた。米フォード・モーターが出資するマツダは、現時点で新たなに資本提携する考えはないとしながらも、製品や技術をさまざまな地域へ幅広く供給する目的での他社との協力関係については積極的に推進していく方針を示している。
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