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2012/3/16

総合 – 自動車産業ニュース

自動車業界の規制モラトリアム検討、過剰生産能力問題に対応=欧州委

この記事の要約

欧州の自動車メーカーが抱える過剰生産能力問題をめぐり、欧州連合(EU)の欧州委員会は、メーカーの負担増大につながる新たな規制の導入を見合わせる方向で検討に入った。タヤーニ副委員長(産業・企業担当)が8日明らかにした。\ […]

欧州の自動車メーカーが抱える過剰生産能力問題をめぐり、欧州連合(EU)の欧州委員会は、メーカーの負担増大につながる新たな規制の導入を見合わせる方向で検討に入った。タヤーニ副委員長(産業・企業担当)が8日明らかにした。

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欧州の自動車業界は、収益悪化と海外メーカーとの競争激化により少なくとも20%の余剰生産設備を抱えているとされる。大手自動車メーカーが加盟する欧州自動車工業会(ACEA)は7日、ジュネーブで会合を開き、過剰生産能力問題を解決するため工場閉鎖や人員削減の実施を認めるよう欧州委に働きかける方針で合意した。タヤーニ副委員長はこうした業界の声を受け、「欧州委は自動車産業の戦略的重要性を充分に認識している」と指摘。産業・企業総局に対し、自動車メーカーのコスト負担を増やし工場の移転に追い込むような事態を回避するため、規制モラトリアムを実施するよう指示したことを明らかにした。また、タヤーニ副委員長のコラッツァ報道官は、モラトリアムの内容と実施期間については欧州委内部で様々な提案が出ていることを明かしたうえで、「我々は数年間にわたって自動車産業に対する新たな規制の審議をストップしたいと考えている」と述べた。

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欧州各国政府は世界金融危機以降、自動車産業に対して積極的な支援を実施し生産と雇用の維持に努めてきた。自動車調査会社IHSオートモーティブのまとめによると、2008から12年にかけて米国では自動車工場が13カ所閉鎖された一方、欧州ではわずか3カ所(予定も含む)だった。ただ、厳しい再編プロセスを経た米国の自動車業界が設備稼働率を08年の66%から12年は82%に改善する見通しなのに対し、欧州では今年も65%にとどまる見通し。このため業界関係者からは、雇用維持を優先する各国政府の政策が自動車業界に必要な再編プロセスを遅らせ、過剰生産能力で苦しむ結果を招いた指摘する声があがっている。

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