21日付け自動車専門誌『オートモティーブ・ニュース・ヨーロッパ』（電子版）によると、中国の吉利汽車と長城汽車は今年、英国で低価格車の販売を開始する。過去に性能や安全性がネックとなって欧州進出に失敗してきた中国車だが、最近は欧州の厳しい衝突安全テストで高評価を獲得するモデルがあらわれるなど性能は著しく向上している。欧州では債務危機の影響による景気悪化で消費者の低コスト志向が高まっており、低価格が売りの中国車にとっては有利な状況といえそうだ。
\吉利汽車は昨年の欧州の衝突安全テスト、ユーロNCAPで4つ星を獲得した「エムグランドEC7」を年末に売り出す。価格は1万ポンドからで、競合モデルである現代自動車「i30」の1万3,780ポンドより低い設定となっている。また、長城汽車は今月に小型ピックアップトラック「風駿（Steed）」を英国の35の販売代理店を通して発売する。価格は1万3,998ポンドからで、現在ピックアップ市場でトップシェアを誇る三菱自動車「L200」のエントリーモデル価格1万6,049ポンドを下回っている。
\吉利の英国市場開発担当責任者を務めるチェイン氏は、「人々は金額に見合った価値のあるブランド、より低価格の選択肢を求めている」と強調。英国長城自動車のヘガーティ社長は、低価格車市場でライバルとなる現代自や起亜自が高級化路線に舵を切りつつあることが中国車に有利に働くとの見方を示している。
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