欧州債務危機の影響で自動車ディーラーの先行きに暗雲が漂ってきた。企業コンサルティング大手のローランド・ベルガーが3日発表した欧州乗用車販売市場動向によると、2012年の新車販売は前年比で6％減少する見通し。中期的には市場は回復するものの、市場低迷の影響を受けて存続の危機に陥るディーラーが2割に達する可能性があるとしている。
\ローランド・ベルガーはレポートの中で、ディーラーの多くは決算公表義務がないなど経営状態が把握しにくいと指摘。とくに複数のブランドを手がける独立系ディーラーは、どのブランドの販売が足を引っ張っているかなどが分かりづらく、経営危機を知らせるシグナルが届かない恐れがある。
\同社の担当者は、「販売網に穴があけば、売れる車も売れなくなる」と述べたうえで、自動車メーカーに対し、市場低迷の複数のシナリオを想定し、それぞれのディーラーの資金繰り状況をシミュレーションする「ストレステスト」を実施するよう呼びかけている。危機に陥る可能性のあるディーラーを早めに把握し必要な対策を講じることで、効果的な支援が可能になるとしている。
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