独フォルクスワーゲン（VW）傘下の高級車メーカーであるアウディは12月27日、新モデルの開発・生産、研究・開発、生産設備などに2014～18年の5年間に総額約220億ユーロを投資すると発表した。内訳は、設備投資などが160億ユーロ、開発投資が60億ユーロ。また、将来の成長に向けて2014年は内外で従業員を増やす意向も示した。
このうち70％は新モデルの投入や既存モデルの刷新および新たな技術の開発に投じる方針という。また、ドイツのインゴルシュタットおよびネッカーズルムにある国内工場に投資予算の50％以上を充てると説明している。
アウディは2015年までの販売目標としていた年150万台を2013年に前倒しで達成。次の目標である年200万台の販売を目指す。同目標の達成に向け、ラインアップを現在の49モデルから2020年までに60モデルに拡大する計画。また、新モデルの開発と並行して、内燃エンジンに替わる新たな駆動システムなど低エミッション技術の開発に注力する方針を示している。
2014年はインゴルシュタットおよびネッカーズルム工場で700人が職業訓練を開始する。また、今後の重視分野として特に、軽量化、ネットワーク化、エレクトロモビリティーの分野で従業員を増やす方針という。
■ ラインアップを拡充・国外生産を拡大
2014年には、プラグインハイブリッド車「A3スポーツバックeトロン」、圧縮天然ガス（CNG）タンクとガソリンタンクを装備するバイフューエル車「A3スポーツバックgトロン」のほか、3世代目となる「TTクーペ」の新モデルを市場投入する。2016年にはSUV「Qシリーズ」の新モデル「Q1」の生産をインゴルシュタット工場で開始する。「Q1」はQシリーズでは最も小さいモデルで、BMWの小型SUV「X1」と競合する。
国外では、ハンガリーのジュール工場への投資を継続するほか、2015年からブラジルのサン・ジョゼー・ドス・ピニャイス（クリティバ近郊）で現地生産を開始、2016年からはメキシコ工場を稼働させる計画も発表している。
また、中国では、VWと中国の第一汽車（FAW）との合弁会社である一汽大衆（FAW VW）が広東省の仏山に建設した新工場で昨年末からアウディ「A3」の生産を開始している。
