米自動車大手ゼネラルモーターズ（GM）は独子会社オペルが2011年に欧州市場で発売予定の電気自動車（EV）「アンペラ」を米国で生産する方針のもようだ。EVの生産規模が小さいため、デトロイトにあるハムトラミック工場でGM傘下のブランド、シボレーのEV「ボルト」と同じ生産ラインで製造する意向という。12日付の『フィナンシャル・タイムズ（ドイツ版、FTD）』紙が報じた。
\同紙によると、オペルの広報担当者はEVの生産について、「2番目の拠点は生産規模による」と認めており、オペルの事業所委員会（従業員の代表機関）のクラウス・フランツ委員長も「生産規模が年3万～4万となれば欧州でも生産する可能性はある」との見解を示している。
\オペルのニック・ライリー社長はこれまで、アンペラをドイツのボーフム工場や英国のエルズミアポート工場で生産する可能性を示唆していたが、フランツ委員長はこれについて「（EVの生産を）政府からオペル再建の資金援助を得るためのえさにしている」と批判している。GMはオペルの事業再建に必要な資金のうち、約18億ユーロを関係国の政府支援で確保したい考えがあるためだ。
\GMはシボレー「ボルト」を2010年11月からカリフォルニア州など米国の一部で発売する計画。2011年末には欧州市場にも投入する見通しとされている。このため、欧州市場でボルトとアンペラが競合する懸念もあるが、GMはこれまでにも、オフロード車のシボレー「キャプティバ」とオペル「アンタラ」の両モデルを韓国工場で生産し、欧州市場で販売している先例がある。FTD紙によると、GMの広報担当者は2モデルの欧州市場投入について「より幅広い顧客を確保できる」との見解を示している。
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