子供は好奇心が旺盛である。大人だったらまずやらないだろうことをやってしまう無邪気な冒険心に溢れていると言った方が良いかもしれない。「爪の裏側はどうなっているのだろうか」という「知的誘惑」に導かれて爪をはがし痛くて泣いてしまったとか、激辛チリソースの飲み比べを友達仲間で行い、全員救急車で病院に運ばれたとか、実例を挙げれば切りがない。
\寒波の到来したこの冬、ドイツ北西部の中都市デュルメンでも10歳の少年が大胆な「実験」を行い、救急隊員を出動させてしまった。
\道路の両脇に立つ街灯が一体どんな味なのかを確かめたくなり金属の柱をなめた、というのが少年の行った行為である。これが暖かい季節であれば、「金属の味」がどんなものか分かったろうし、問題も起こらなかっただろう。
\しかし、少年が「味見」をしたときの気温はマイナス10度である。街灯に舌をつけてからわずか数秒で瞬間接着剤を使ったかのようにぴったりとくっつき、離せなくなってしまった。
\命の危険を感じた少年はその状態で可能な限りの声を挙げ救援を求めた。駆けつけた救急隊員は暖かい食塩水をかけて街灯から舌を分離。少年を病院に運んだ。幸いなことに大事には至らず、少年はその日のうちに自宅に戻ったという。
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