世界的な景気後退の影響で減収を余儀なくされるなか、化学大手は競争力の向上に向け研究開発費(R&D)を増額ないし維持している。独BASFは2009年1-9月期の売上高が前年同期比24%減の287億8,400万ユーロ(石油・ガス部門除く)に後退したものの、R&D(同)は前年同期の9億9,300万ユーロから10億1,200万ユーロに拡大。売上高に占めるR&Dの比率(以下、R&D比)を2.6%から3.5%に大きく引き上げた(表参照)。米DuPontは09年通期のR&D額を前年からやや減額したものの、R&D比は0.7ポイント引き上げ5.3%とした。蘭Akzo Nobelでは09年1-9月期のR&D額が2億5,200万ユーロから2億5,300万ユーロとわずかに増加、R&D比は2.1%から2.4%に高まった。独Evonik、Lanxess、米Dow Chemicalも同時期、R&D比をそれぞれ改善している。
\独バイエルグループでは製薬部門(Bayer Healthcare)を含む1-9月期の連結売上高が08年の249億9,500万ユーロから09年は232億9,600万ユーロに落ち込んだものの、R&D費は19億4,300万ユーロから20億1,200万ユーロに拡大した。化学部門でも増えたとみられる。
\