大手保険会社が傘下ブランドの集約や名称変更を進めている。知名度の高い旗艦ブランドを持つことが、国際競争で勝ち抜くうえで重要になっているためだ。独保険2位のErgo（デュッセルドルフ）はこのほど、傘下のダイレクト保険KarstadtQuelle Versicherungenの社名をErgo Direktに変更した。同じく傘下のVictoriaとHamburg-Mannheimerも年内に「Ergo」の名を冠した新会社に統合する。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\ブランド名統一を一貫して推し進めているのは仏保険大手のAxaだ。同社は1980年代に社名をAnciennnes Mueuellesから現在の名称に変更した後、他社買収を通して事業の拡大を続けているが、買収先企業はAxa Winterthur のように「Axa」の名を冠するか、Axaに統合するかのどちらかにしている。企業名（ブランド名）にAxaの文字を加えても保険料収入の増加に直結しないものの、知名度上昇では絶大な効果をもたらした。市場調査機関YouGovPsychonomicsがドイツの消費者を対象にこのほど実施した保険ブランド調査によると、Axaの認知度は約80％で、Allianz（91％）、Huk-Coburg（87％）に次ぐ3位につけた。
\YouGovPsychonomicsの担当者によると、ブランド名の集約や変更を実施するうえで判断が難しいのは、低価格を売り物にするダイレクト保険と通常の保険ブランドの線引きだという。ErgoやAxaはダイレクト保険でも自社名を使用する一方、伊保険大手Generaliの独法人はダイレクト保険部門（Cosmos Direct）をあたかも別会社のように扱っている。Cosmos Directのサイトでは独Generaliの傘下にあることを示すロゴやテキストは一切なく、同サイトを見ただけではGeneraliとのつながりが分からないようになっている。
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