ドイツの高級車メーカーが中国市場での需要拡大に期待を寄せている。世界的な景気悪化のあおりで欧州、北米、日本市場が低迷するなか、中国市場は右肩上がりの成長を続けているためだ。全体的な所得水準の上昇に加え富裕層も急拡大しており、特に高級車の需要はかつてない伸びをみせる。アウディ、メルセデス、BMWなどの高級車メーカーは中国人の嗜好に合わせたモデルの投入や新工場の建設など、シェア拡大に向けて激しい競争を繰り広げている。
\独自動車工業会（VDA）によると、中国市場における2009年の高級車販売台数は47万8,000台。このうちアウディ、BMW、メルセデス・ベンツの3社だけで67％（32万台）を占め、ドイツメーカーは圧倒的強さをみせる。
\コンサルティング会社Management Engineers（ME）の調べによると、中国の09年新車登録台数は1,030万台で、欧米に迫る勢いをみせているが、人口1,000人当たり普及台数は約20台（普及率5％）に過ぎず、自動車市場の拡大の余地は大きい。
\経済成長による新興富裕層の増加を背景に、ステータスシンボルとしての高級車の需要も急増している。VDAの予想では、同国の高級車市場は2020年には現在の3倍以上に拡大する見通しだ。
\確実な需要増が見込めることから、各メーカーとも中国事業を強化しており、フォルクスワーゲン（VW）は26日、北京で開催中のモーターショーで2012までの中国向け投資額を従来計画の44億ユーロから60億ユーロに引き上げると発表。BMWはこれに先立つ12日、中国に2つ目の工場を建設する計画を明らかにした。ダイムラーは23日、北京モーターショーでメルセデス・ベンツ「Eクラスセダン」のロングホイールベースモデルを公開した。ゆったりした後部座席を好む中国人に合わせた仕様という。
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