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2010/4/28

経済産業情報

フレキシブルOLEDの低コスト生産技術開発

この記事の要約

フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)を低コストで生産する技術を、フラウンホーファー光マイクロシステム研究所(IPMS)と同電子ビーム・プラズマ技術研究所(FEP)の研究チームが開発した。「ロール・ツー・ロール(ro […]

フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)を低コストで生産する技術を、フラウンホーファー光マイクロシステム研究所(IPMS)と同電子ビーム・プラズマ技術研究所(FEP)の研究チームが開発した。「ロール・ツー・ロール(roll to roll)」と呼ばれる方式を用いるもので、1つのラインで一貫生産できるため手間や装置を大きく省くことができるほか、安価な素材を基板に使用できるため製造コストも引き下げられる。研究チームは今回の研究がフレキシブルOLEDの量産に道を開くものと期待を寄せる。

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OLEDは薄い、軽い、曲げやすい、面光源といった特徴があり、次世代ディスプレーや照明光源として大きな注目を集めている。ただ、ガラス基板に1枚ずつ製膜する従来の製法では形状や厚さに制限があるうえ、複数の装置を通すという事情から搬送に手間のかかる大面積の製造が困難、機器の設置コストがかかる、といった問題があった。このため、基板のフレキシブル化に加え、量産を可能にする製造技術の確立が求められている。

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これらの課題を解決するためにIPMS/FEPのチームが着目したのがロール・ツー・ロール方式だ。ロール状に巻いた大きな基板にパターンを印刷し、バリア層(封止膜)でコーティングした後に再び巻き取るもので、従来製法に比べ生産効率を大きく改善できる。研究チームは今回、比較的価格の低いプラスチックよりさらに安価なアルミ箔を基板に使用することに成功した。

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また、プラスチックのように酸素や水蒸気を通す素材を基板に使用する場合に欠かせない封止膜のコーティングでは独自の技術を開発し、高いバリア性と透明性の高さを両立できたという。

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今回の研究は連邦教育研究省(BMBF)が支援するロール・ツー・ロール方式フレキシブル発光ダイオード技術開発プロジェクト「ROLLEX」の一環をなす。プロジェクトにはIPMS/FEPのほか、フィリップス、Novaled、von Ardenne Anlagentechnikなどが参加している。

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