自動車大手のフォルクスワーゲン（VW）が電気自動車（EV）用リチウムイオン（Li-ion）電池をサプラーヤー大手のボッシュに発注するもようだ。各種メディアが5月26日、報じた。VWは小型車「Up」のEVモデル向けLi-ion電池の供給を三洋電機から受けることが決まっており、同社の思惑に関心が集まっている。
\VWのヴィンターコルン社長は24日米チャタヌーガ工場の開所式で、「バッテリーセルのノウハウをドイツにもたらすことに関心がある。おそらくボッシュと何かをするだろう」と語った。ボッシュはメディアの問い合わせに対し、VWの試作車向けにすでにLi-ion電池を供給したことを明らかにしており、近日中にVWから本格受注を獲得するもようだ。『フランクルター・アルゲマイネ』紙によると、VWの主力車「ゴルフ」向けに供給する公算が高いという。
\ボッシュのフェーレンバッハ社長は以前、「適切な規模の受注ないし補助金があれば、ドイツにバッテリー工場を建設する」と明言しており、VWからの受注獲得に伴い同国に電池工場を建設する可能性がある。
\VWがLi-ion電池を三洋のほか、ボッシュからも調達することについて、ボッシュの広報担当者は『ファイナンシャル・タイムズ（ドイツ版、FTD）』紙に対し、「特定のサプラーヤー1社にしばられることを好むメーカーはない」と述べ、VWが調達先を分散するとの見方を示した。
\ボッシュはLi-ion電池分野で現在、韓国のサムスンSDIと共同で合弁会社SBリモーティブを運営している。VW向けの電池をサムスンSDIと共同生産するのか、単独生産するのかは不明。
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