クレーン大手の独Demag Cranes（デュッセルドルフ）は5月31日、米同業Terexの買収提案を拒否すると発表した。同社の価値を過小評価しているとの結論に達したためで、株主に対しTerexの株式公開買い付け（TOB）に応じないよう呼びかけている。Demag Cranesの株価はTOB計画の発表後上昇し、TOB価格を大きく上回っているため、Terexは買収条件の改善が避けられない状況だ。
\Terexは5月2日、Demag CranesへのTOB計画を発表した。買い取り価格は1株当たり41.75ユーロ。これは前営業日（4月29日）の終値を15％上回る水準で、総額は8億8,400万ユーロとなる。
\Demag Cranesの経営陣はTOB計画の分析をDeutsche Bankなどの金融機関3行に依頼。3行は同社の価値が過小評価されているとの鑑定を下した。
\Demag Cranesは過小評価の根拠として、同社の中期的な事業見通しが反映されていないとの見方を示した。同社は新興国の旺盛なインフラ整備需要を踏まえ中国やインドの事業を強化中で、売上高は2010年9月期の9億3,130万ユーロから2013年9月期には13億ユーロに拡大すると予想している。
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