紙価格の高騰で財務を圧迫される独プリントメディアが新たな調達先を模索するなど対策を講じている。25日付『フランクフルター・アルゲマイネ（FAZ）』紙が報じた。
\新聞紙の価格は昨年、金融危機の影響で1トン当たり415ユーロに下落したが、今夏は同530ユーロまで上昇した。独雑誌出版事業者連合会（VDZ）のシェーネマン印刷紙委員長は、好景気を背景に世界中で包材紙の需要が急増したため、新聞紙や包材紙の原料となる古紙の価格が高騰したと述べたうえで、「用紙価格のさらなる吊り上げは受け入れられない」と強調した。
\メディア大手のAxel Springerは古紙価格の高騰を受けてすでに、ロシアの製紙会社との間で同国の工場拡張に向け交渉中だ。交渉が成立すれば、同工場では独市場向けに従来使用される古紙の代わりに木質パルプを原料にした新聞紙を製造。生産規模は年最大35万トンになるという。同社で調達担当者は、パルプから製造する新聞紙の供給は価格急騰の対抗策となるとの期待感を示した。
\一方、欧州の製紙大手の間には古紙やエネルギー価格の変動に対応できるよう、従来の通年固定価格制に代わり半期や四半期ごとに価格改定するルールを導入する動きがある。プリントメディア各社はこれに強く反発している。
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