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2011/7/27

経済産業情報

ホームセンターが「安売り店」イメージ払しょくへ

この記事の要約

独ホームセンター大手Praktiker(キルケル)が特売で客を呼び込むこれまでの戦略の見直しを進めている。「安売り店」のイメージが足かせとなり売り上げが低迷しているためで、地域の顧客ニーズを踏まえた商品構成とサービスの質 […]

独ホームセンター大手Praktiker(キルケル)が特売で客を呼び込むこれまでの戦略の見直しを進めている。「安売り店」のイメージが足かせとなり売り上げが低迷しているためで、地域の顧客ニーズを踏まえた商品構成とサービスの質向上でイメージアップを図るとともに、業績を回復させて株主の信頼を取り戻したい考えだ。19日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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Praktikerは2008年から売上減少が続いており、09年・10年と2期連続で最終赤字を計上した。今年に入っても業績低迷に歯止めはかからず、今月1日には通期営業利益(EBITDAベース)予測を「前年を上回る」から「前年割れ」に下方修正。3期連続の最終赤字が避けられなくなっている。

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ホームセンター市場は好調に推移しており、ドイツ日曜大工・園芸センター連盟(BHB)によると11年上半期の業界売上高は前年同期比で3%増加した。一方、同じ時期のPraktikerの売上高は業界推定で2ケタ減となったもよう。BHBの担当者は「業界の足並みから1社だけが大きく外れるという事態は、過去数十年で初めて」と驚きを隠さない。

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Praktikerが苦戦する原因としては、過去の成長戦略も指摘されている。同社は競合と異なり、他社の買収によって店舗網を拡大してきた。立地条件も店の規模もばらばらのため、統一したブランドイメージを構築できていない。

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同社はこのため、新戦略にそぐわない不採算の店やエリア重複の店舗を統廃合する必要に迫られているが、新たな出店先として目星をつけた物件の賃貸料が高すぎて借りられないなど、回復への道のりは平たんでなさそうだ。

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