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2011/7/27

経済産業情報

ヤギ乳チーズの受容度上がる、乳糖の少なさなどが評価

この記事の要約

フランスやイタリアなどで人気があるにもかかわらず、ドイツではこれまでほとんど見向きもされなかったヤギ乳のチーズが市民権を獲得しつつある。牛乳に比べ◇コレステロールが少ない◇下痢などを引き起こすラクトース(乳糖)も少ない― […]

フランスやイタリアなどで人気があるにもかかわらず、ドイツではこれまでほとんど見向きもされなかったヤギ乳のチーズが市民権を獲得しつつある。牛乳に比べ◇コレステロールが少ない◇下痢などを引き起こすラクトース(乳糖)も少ない――などのメリットが評価され出したためで、ヤギ乳チーズの魅力にとりつかれた人は手作りで製造・販売を始めている。22日付『南ドイツ新聞』が報じた。

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ヤギ乳チーズは欧州ではフランス、イタリア、スペイン、ギリシャなど主に南欧で生産されている。特にフランスには200以上の種類があり人気が高い。

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一方、ドイツでは「ヤギは貧乏人の家畜」「くさい」といった偏見が元でヤギ乳チーズにはこれまで悪いイメージがつきまとっていた。だが、南欧にバカンスに出かけヤギ乳チーズを食べたことなどがきっかけとなり、見識を新たにする人が増えている。

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メクレンブルク・フォアポンメルン州のレーグニッツ村でヤギ乳チーズを製造するウーテ・ローアベックさんもその1人で、10年前に休暇で同村を訪れた際、初めて手作りチーズにチャレンジ。これがきっかけとなって村に移り住みチーズの生産を始めた。熟成段階で初めて失敗に気づいてやり直しになるなど試行錯誤の連続だったが、専門家のアドバイスを借りながら腕を上げ、ノウハウを築いていった。「メック・プロム」と名付けたスライスチーズはイタリアの食品コンクールで金賞に輝いた。

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ヤギは全て自然飼育だが、最初は12匹に過ぎなかった頭数は今では100匹に増えた。販路も広がり、大都市でも取扱店ができたという。

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これまでのところヤギ乳チーズを購入するのは主に都会から休暇に来た人たちで、地元の人の多くは食べようとしない。ローアベックさんはこのため、地元での販売に力を入れ、すそ野を足元から広げていきたい考えだ。

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