自動車大手のVolkswagen（VW）は2日、グループの役員30人を入れ替える大がかりな人事異動を発表した。停滞している商用車子会社2社（MANとScania）の協力関係を前進させることと、中国事業を統括する取締役ポストの新設が最大の目玉。高級車子会社Audiでも取締役を刷新する。
\VWは同社の商用車部門とMAN、Scaniaの3者による商用車連合の実現を目指している。だが、ScaniaがMANとの関係強化に強い抵抗を示してきたため構想は宙に浮いており、シナジー効果を引き出せていない。
\商用車分野の人事の刷新はこうした現状を打破するために実施する。具体的にはScaniaのレイフ・オストリンク社長をVWグループの商用車担当取締役に任命。また、MANの商用車子会社MAN Truck & Bus AGの社長にもScaniaのアンダース・ニールセン生産・物流担当取締役を充て、VWグループ商用車部門のトップをScania系の経営陣で固める。これにより、商用車連合をScaniaの主導で実現する方向性が明確に打ち出された格好だ。
\協力関係はまず部品調達分野から開始、年間コストを2億ユーロ圧縮する。その後は開発分野にも広げていく。VWは乗用車分野で成果を上げているモジュール生産システムを商用車分野にも投入し、コストを大幅に削減する意向とされる。
\同社初の中国事業担当取締役には、これまで商用車事業を統括してきたヨアヒム・ハイツマン取締役が横滑りの形で就任する。同ポストを新設するのは、中国政府がトップレベルのコンタクトパーソンを求めているためという。
\Audiの取締役を交代するのは高級車最大手のBMWに対する攻めの姿勢が弱いと判断したため。
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