自動車大手の独Volkswagen(VW)グループが中国で大きな不具合問題に直面している。該当する車両は100万台を超えており、同社と現地提携先のコスト負担は計4億~8億ユーロに上るもようだ。31日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\不具合が起きているのはダイレクトシフト・ギアボックス(DSG)を搭載したモデル。大きなノイズや振動、自動車の突然停止などの問題を訴える顧客の議論が数カ月前からインターネット上で繰り広げられていた。これに対しVWは、リコール(無料の回収・修理)の見合わせを中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)から了承されたかのような印象を振りまいたため、AQSIQは態度を硬化。同社はDSGについて品質保証期間を従来の2年(ないし走行6万キロ)から10年(走行16万キロ)へと大幅に引き上げることを余儀なくされた。2012年末までに中国で生産された全DSG搭載車が対象となる。
\VWによると、修理にはソフトウエアの入れ替えとクラッチライニングの交換が必要。AQSIQとの間では修理料金を大幅に引き下げることで合意したという。
\VWは中国市場向け車両用のDSGを独カッセル工場のほか、2年前からは大連工場でも生産している。
\中国はVWグループの最重要市場で、昨年の販売台数は226万台に達した。グループの世界販売に占める割合は28%に達しており、同市場でのブランドイメージ悪化は大きな痛手となりそうだ。
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