医薬品卸大手の米McKessonは23日、独同業のCelesioを買収すると発表した。Celesio株50.1％を独富豪ハニエル家から譲り受けることですでに合意しており、残りの株式と転換社債を対象に公開買い付けを実施する。当局の承認を経て買収手続きが終了すると、McKessonは業界世界最大手に浮上する見通しだ。
\Celesio株を1株当たり現金23ユーロで取得する。これは買収観測が浮上する前の3カ月間の加重平均株価を39％上回る水準で、全株式の価値を約40億ユーロと評価した格好。Celesioの債務およそ20億ユーロも引き受けるため、買収総額は60億ユーロを超える。
\McKessonは買収により、売上高を1,110億ユーロ（1,500億ドル強）に拡大。米国、カナダ、ブラジルのほか、欧州でも事業を展開するようになる。調達分野で年最大3億2,500万ドルのコスト削減効果を見込む。欧州市場は競争が厳しく医薬品卸会社の利益率が低いものの、同社は規模の効果を活用して高い収益力を確保する意向だ。
\ハニエル家はCelesio株の売却で約20億ユーロを獲得。債務の返済に充てるとともに、小規模な買収を実施し、流通業に偏った投資ポートフォリオを改めて行く。同家は独流通大手Metroの大株主。
\
