製薬大手の独Bayer（レバークーゼン）がスイスの競合Novartisから動物薬子会社Novartis Animal Healthを買収することを検討しているもようだ。金融筋の情報としてロイター通信が3日報じたもので、BayerはすでにNovartis Animal Healthの財務諸表を閲覧したという。Novartisは報道内容についてコメントを拒否。一方、Bayerのデッカース社長は「動物薬事業の強化に関心がある」としながらも、Novartisの当該事業に関心があるかについては発言を控えた。
\Novartisのジメネス社長は先月、事業規模がグローバルレベルに拡大しえない分野からは撤退する考えを表明。今後売却する可能性がある事業としてワクチン、診断薬、一般医薬品（OTC）、動物薬を挙げた。
\Novartis Animal Healthは従業員数が約3,000人で、昨年は11億ドル（約8億1,100万ユーロ）を売り上げた。
\Bayerは動物薬事業を強化しており、今年初には後発薬大手のTevaから米国の動物用医薬品事業を買収した。
\Bayerの同事業の売上高は昨年13億ユーロで、前年からおよそ10％増加した。Novartis Animal Healthを買収すると21億ユーロとなり、動物薬市場で世界3～4位に浮上する見通し。業界最大手は米Zoetisで、売上高は約32億ユーロに上る。
\動物薬市場は急速に拡大している。先進国でペット向けの支出が増えているほか、新興国で食肉の消費量が増えているためで、年率6％程度の成長が見込まれている。
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