独製薬大手のメルツ（フランクフルト）は6月26日、米国の美容医療機器メーカー、ウルセラを買収することで合意したと発表した。美容事業の強化戦略に沿った措置。取引金額は最大6億ドルで、同社史上、最大の買収となる。買収手続きは第3四半期に終了する見通し。
ウルセラは顔のしわやたるみを超音波によって治療する技術を米食品医薬品局（FDA）から唯一、承認された企業。同治療法はメスなどによる手術を必要としない点が最大の強みだ。会社創設は2004年で、今年は売上高で1億ドル以上を見込む。
メルツは同社売上の半分を占めるアルツハイマー治療薬「アクスラ」の特許が今後、世界各国で失効していくことから、その穴を相殺するために美容皮膚事業を強化している。昨年も皮膚充填剤製造のアンティース（スイス）を買収した。
