製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は6月24日、次世代抗がん剤の開発に向けて医薬品開発の米メルサナ・セラピューティックスと提携すると発表した。メルサナが持つ「フレキシマー」技術を用いて抗体薬物複合体(ADC)を共同開発。抗がん剤製品の種類を拡充する。
ADCは抗体と薬剤を融合させた医薬品で、抗体が抗がん剤を標的細胞まで運び、細胞内に入った抗がん剤が標的細胞を撃退する。
メルクはモノクローナル抗体を提供し、メルサナがそれを用いてADCを作製する。研究と前臨床試験はメルサナが担当。臨床試験から販売までの手続きはメルクがすべて引き受ける。
メルクは今回の提携でメルサナにまず一時金を支払い、開発の進捗に応じてマイルストーンを上乗せする。市販化した場合は売り上げに応じたライセンス料を支払う。具体的な金額は明らかにしていない。